(待望の)宇野昌磨さん特講 ~春期講習~
こんにちは、Eteryです。(こんにちは、昌磨です風)
長らくお待たせしました、宇野昌磨さん特講(春期講習)の開講です。良くも悪くも学生らしいタイトルでしょ。
本講座では、昌磨くんの演技や表現についてEteryの思ったこと感じたことをお伝えしていこうと思います。なお、表現の解釈に必ずしも正解というものだったり、皆が一様に帰着する結論はないと思いますから、数あるうちのひとつの解釈として受け取っていただければ幸いです。
記念すべき第1回である今回は、世界ジュニアも近いということ(みんながんばれ〜)で、昌磨くんのジュニア時代の演技を振り返っていこうと思います。
先に言っておくんですけど、あんまり音取りに関して言及できてません、ごめんなさい🙏
2011-2012 SP 「『タッカー』より」
3Lz 3F3T CCSp 2A FSSp StSq CCoSp
この頃からなんちゅう爆速スケーティング。ものすごい速さでジャンプに突っ込んでいきます。
ひたすら昌磨くんのエッジワークと踊り心を堪能できるプログラムです。3つのそれぞれ違う曲調を捉えて、演技スタイルをプログラムの中で変えているのが特徴と言えると思います。例えば、中盤のサックスパートとか腕の下ろし方ひとつにも余韻を持たせてしっとりした雰囲気を出していて、終盤のハジけパートではとにかくキレッキレに動きまくって細かく切り返したりして非常に音楽のノリと合ってますよね。足上げ最高もっとやって。個人的には0:14とかの打楽器の音を拾ってるのがいいなぁと思います。
あと冒頭から只者じゃない動きしてるんですけどStSq(1:48~)になるとさらに人間離れしてます。見た目が年齢と比べてかなり幼いので余計にそう思うんですけど、ここまで身のこなしに意識が向いてる子はなかなかいません。それにこんだけエッジにのっててよく倒れないなぁ 体幹とバランス感覚はこの頃から優れていたんだと思います。
2011-2012 FS「ツィガーヌ」
全日本の演技で沼にドボンした人は少なくないんじゃないでしょうか。Eteryはこの演技を初めて見た時、本当に度肝を抜かれました。
3Lz 2A3T 3F 3Lo FSSp StSq 2A CSp 3Lo2T
3F3T2T 3S StSq CCoSp
14歳とは思えないほど音楽に没入し、しなやかで力強い身のこなし、最後まで爆速スケーティング、意味わからんStSq、そして締めの高速スピンと既に才能の片鱗が現れている演技です。腕をしならせる振り付けや、ターンやツイズルなど回転によって、ツィガーヌの変則的でちょっとエキセントリックな曲調を見事に表現していると思います。私が思うに見せ場はやっぱり2回目のStSq(4:29~)です。プログラムの終盤にこのStSqって美穂子先生どんだけ鬼畜なん。これでもかと言うくらいに音を拾いまくって最後まですごい速さを維持しながらしゅるしゅるくるくる回りまくっています。そしてダメ押しの高速スピン。
プログラムどころか使ってる音楽がヤバすぎて完全にbeyond expressionでちょっと言葉にできないです。とりあえず見てしか言えない。参りましたっ\(^o^)/
2012-2013 SP「タンゲーラ」
なんか聞いたことあるなーっと思ったらロクサーヌのタンゴに影響を与えた曲らしい
2013-2014のものですがMOIの演技が素晴らしかったので。
3F FCSSp CSSp 2A3T3T CCoSp StSq 2A
静止してポーズを取るパートがかなり多いです。タンゴプロらしく「静」と「動」の使い分けが上手いです。しっとりした音楽に合わせてしなやかな身のこなしが光ります。腕の下ろし方とふわっとしていて優しいですよね。同じタンゴプロのブエノスアイレス午前零時/ロコへのバラードとは全然違った印象です。まぁ曲が違うので当たり前なのかもしれないですが。
特にStSqの2:27あたりのツイズル→RBOが弦楽器の伸びる音に合っていて好きです。2:48~のパートもムーブメントが音楽に合っていていいですね。
2012-2013 FS「steps」
世界ジュニアに初出場した時のプログラムです。2013-2014シーズンも継続なので、後ほどまとめてお話しますね。
2013-2014 SP「The Blessed Spirits」
これはSP6位につけ、FSで最終グループに入った全日本の演技です。リンクが切れてしまったようです。またどこかで復活せんかな…
3F3T 2A CSp 3Lo FSSp SpSq CCoSp
3Aどころか3Lzすら入ってないんですよ。これで五輪シーズンの全日本最終グループに入ってしまうあたり、彼のスピンステップの質の高さであったりを証明しています。完璧な演技でした。
スケールの大きな音楽に合わせて今までになかった力強さの際立つ演技です。体が大きくなってパワーが着いたからでしょうか。量ではなく質的に動きの見応えが増したように感じられます。上体を波立たせたり、グレスピと通じるものがありますね。内側から沸きあがる衝動とか魂とか神聖なものが感じられます。イーグル→2Aもただのイーグルじゃなくて振り付けを混じえていたりしておしゃれです。頭の使い方がいいなぁと思います。トゥーランドットの頭ぐりんっとかすごく好きです。あれすごく難しいらしいんですよね。さりげなくできていて素敵。
Great Spiritが略してグレスピなら、これはブレスピかな。聞き間違えそう。(なんで略した)
2013-2014 FS 「steps」
動画はリンク切れです(泣)
3A 3Lz 3Lo FCSp CSSp StSq 3Lo2T 3F2T 3F
2A3T2T ChSq 3S CCoSp
2012-2013シーズンからの継続プロです。
曲はSecret Gardenの「Steps」「Hymn to hope」「Moving」の三部構成になってます。
編曲も盛り上がりをちゃんと作っていて、プログラムのストーリー作りが上手いです。昌磨くんもそれぞれに違う曲調に合わせて演じ分けているのがすごいなぁと思います。(体の動かし方とかよく言われる間のとり方とか)特に3曲目のMovingに入ると一気に空気が変わってパワフルになります。
全日本はシニア用に30秒長いプロなので最後の方疲れて2回ほどよろけてるのがまた可愛らしくて。でもそこで手を抜かないというか、最後までスピードが落ちないですよね。どんなスタミナしてるの。
特に好きなのがHymn to hope冒頭のピアノパート 全ての動作で音を拾っています。これに気づいた時は全身鳥肌が立った〜🐓天才かよ〜
さっき見つけたばかりの音ハメです。
— そ𝐄𝐭𝐞𝐫𝐲お (@Sinitsynakawaii) 2018年11月29日
世界ジュニア選手権2014 宇野昌磨
FS 「Steps」
#宇野昌磨 #ShomaUno pic.twitter.com/1hpgMBYiU0
StSqは表の弦楽器より、裏でなってるピアノの音を主に拾っていて、そういうとこズルいなぁと思っちゃうのです。
実はジュニアプロの中では2番目くらいにお気に入りのプログラムです。
2014-2015 SP 「ヴァイオリンソナタ第9番」
3A CSSp FCSp 3Lz 3F3T StSq CCoSp
みんな大好きクロイツェル✌️ちなみにEteryは黒イツェルが一番好きです(衣装の話)
スタートからヴァイオリンのミラファ♯レシミソ♯ラの音の伸びにスケーティングの伸びが合っていて気持ちいいです。
イーグル→3Aの着氷音が会場中にスカーンと響き渡るのいいですよね。その直後の和音も、音にハマっていないからこそお互いの尊さを引き立てていて素敵です。
静かな前半からだんだんと音楽が力強さを増していく中で昌磨くんの動きやスケーティングも力強さを増していきます。3Lzに向かう前の低いラの音に合わせて両腕を力強く振り下ろすところとかも音楽的ですよね。(細けぇ)
そして3F3T直後から始まる至高のStSq。ヴァイオリンとピアノの競い合うような音の流れの中で昌磨くんが優雅に踊っているかのよう。
お気に入りはホップ(ラ)→着地(オクターブ下のラ)、オクターブ下のファ→ファファファに合わせたランジ、そしてクライマックスに向かって音楽が最高潮になったミの音でウィンドミル!
もう最高です ありがとうございますしかありません。他にもいっぱい好きなところあるんですけど、言い出したらキリがないのでここら辺にしときます。(十分長い)
このプログラムって柔らかさもありながら力強く、そして何より上品なんですよね。振付師とプログラムの質が本当に高いと思います。美穂子先生大勝利〜✌️って感じです。
何度見ても新しい発見があって、あっという間に終わってしまうくらい、本当にお気に入りのプログラムです。
2014-2015 FS 「『ドン・ファン』より」
やっぱりJGPFの演技でしょ〜 何度見てもこっちまで嬉しくなっちゃうガッツポーズです。
4T 3A 3A2T CSSp StSq 2A1Lo3F 3Lo FCSp
3Lz 3S FCSp 3Lz 3S 3F3T CCoSp
4Tと3Aを実装し、世界の檜舞台へ一気に駆け上がった昌磨くんを支えたプログラムです。前シーズンと比べて一気に構成の難易度が上がっています。1:16~1:22でのクロスやターンでの音取りがシンプルですけどいいなぁと思います。こういうのさりげなく出来るのって素敵です。
StSqではターンする速さやエッジにどれだけ乗るかによってスピードを調節し緩急を自在に作り出しています。初めてロコを見た時も思ったんですが、昌磨くんって緩急の付け方だったり間のとり方が本当に上手ですよね。悩ましげな音楽をさらっと表現しています。音に忠実な演技をする昌磨くんにしては珍しく苦悩や葛藤と言ったりした感情も表現しているのかなと思ったり。このサウンドトラックが映画のどのシーンで使われているのかわからないので憶測に過ぎませんが。StSqだけでもかなり見応えがあり、飽きないです。力強さの中にも繊細さが光るプログラムだと思います。
この度昌磨くんのジュニアの頃の演技を見返してみて改めて思ったことは、昌磨くんって曲による踊り分け演じ分けが抜群に上手いなぁということです。例えばNHK杯のエキシビションを見てもらったらわかると思うんですが、
Great Spirit→天階PPAなんですが、衣装は同じなのに身のこなしや姿勢ひとつで醸し出す雰囲気がガラッと変わって天階用になってるのがわかると思います。このように、どんな音楽でも自分のものにしてしまうところが昌磨くんの魅力のひとつだと思います。
とまぁ長々と失礼しました。とりあえず春期講習はこれにて終講です。
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